【新唐人2015年10月06日付ニュース】
中国経済が、かつてない苦境に立たされています。企業の倒産や外資の撤退などが重なり、かつての「世界の工場」に打撃を与えています。専門家は、数年以内に中国経済はさらに悪化し、失業者も大幅に増えると予測しています。
「2000社以上の台湾企業が東莞(とうかん)から大挙撤退、労働者500万人が解雇」、「中国紡績業に倒産ブーム、1千万人に失業の恐れ」、「1万人がリストラ、東北経済に閑古鳥」等。
これらの報道は、氷山の一角に過ぎません。当局が中国経済の直面する現状に目を背けても、多くの事実とデータが、すでに経済がかつてない危機に陥っている事を物語っています。
中国の金融アナリスト 任中道さん
「中国政府が最近発表した経済指標では、工業や製造業など各方面で、中国経済は下降し続けており、その底も見えていません。つまり 上昇に転じる時期は当分先でしょう。各企業がコスト削減や人員削減など規模縮小しており、中国経済は寒い冬の中にいると言えるでしょう」
アナリストは、中国経済の現状は、企業の大規模倒産や資金流出の2つの面から打撃を受けており、それに大量の失業者問題が加わり、集団抗議などの社会問題に発展しかねないと指摘しています。
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』は『中国労働通信』のクロスホール(Crothhall)氏の話を引用し、「中国の各業種や各地区で多くの労働者は解雇に直面している」と伝えています。
中国の金融アナリスト 任中道さん
「2方面から見ると、ひとつは企業の破産と倒産です。以前多くの業種、例えば鉄鋼や石炭など、全方面で深刻な過剰生産になりました。これらの企業は維持できないので、破産宣言するしかなく、職員は失業します」
中国企業の屋台骨、紡績服飾業を例に挙げてみましょう。
中国の輸出の半数を占める紡績業の人的、土地、環境保護の各コスト、および税負担などが増え続け、多くの企業は次々と倒産していきました。中国政府のデータによると、2015年だけで中国全土で倒産した大型紡績服飾企業は9社。中小企業の倒産数は数えきれません。
中国の金融アナリスト 任中道さん
「もうひとつは、企業が今の中国の政治と経済情勢が十分不安定であると考えており、中国以外、例えば東南アジアのどこかへ業務や企業移転し、もとの工場や生産ラインは捨てられてしまいます。そうなれば国内の従業員たちはみな失業します」
2015年、知名度の高い外資企業が次々と撤退しました。マイクロソフトは東莞(とうかん)と北京(ぺきん)2か所の工場を閉鎖し、9000人がリストラされ、時計メーカーのシチズンも生産拠点の閉鎖により、1000人が解雇されました。そのほか、アディダス、ナイキ、ユニクロ、無印良品、フォックスコン、サムスンなども東南アジアで新工場を開設しています。
又、中国の国営企業にも異変が現れています。特に、鉄鋼、石炭などの重工業企業は、過剰生産と多重の債務問題により、破産や倒産、あるいは生産停止などに追い込まれています。
中国の金融アナリスト 任中道さん
「鉄鋼企業の倒産の原因は鋼材の利益が非常に低いからです。1トンの鉄鋼が1束の白菜にも及ばず、賃金とコストがカバーできませんでした。地方政府は現地GDPのため、工場に稼働を命じます。中国共産党官僚は政績だけを考え、GDPの数字がいかに立派に見えるか、いかに自分の立場を維持し続けるかのみ考えています。現在 生産能力過剰も彼らの前任或いは、もっと前の官僚が造り出したものです。盲目的なエネルギー多消費、高汚染のプロジェクトに着手し、現地GDPの成長を促しました。それが今までに積み重なり、在庫が増え続けています」
現在の状況をみて、多くの国民は「明日は我が身」と不安を感じているようです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/10/02/a1227129.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/萩野 映像編集/李)
経済危機,失業,外資撤退